血の臭いが立ち込めている。
彼の体から吹き出ていたそれは止み、今はそこに溜まっていた。鮮烈な赤も徐々に黒く染まっていく。
それなのに、彼を囲む者たちのすすり泣きが止まることがなかった。
一人、時間の止まった彼の重たい頭を持ち上げる。
自分の長い爪で彼を傷つけてしまわぬようにそっと触れる。
土気色の肌は冷たく、無機質に硬くなっていた。
ぬくもりを交わした頃の事があっという間に遠くへいってしまった錯覚すら覚える。
自らの膝に彼の頭を抱え、目を閉じる。
竜は祈った。
bless
彼に竜の祝福を
原寸サイズ(直リン。でかいです。)