『秋』

虫が音を漏らす秋。

それは人によって、騒がしい物でもあった。

そんな者も、この屋敷には恐らくいないだおうが。

「マルス〜wこっち来て〜!」

カービィが勢いよくマルスの頭の上にのる。

・・・・・・・・・少し捻った

その証拠に、一瞬鈍い音が虫の音の中に混ざる。

「・・・・・・マルス、大丈夫?」

隣のロイが心配そうに尋ねた。

 










        今日はマリオの提案により、月見ならぬ虫見をすることになった。

普通の女性は虫を見ただけで叫ぶ者もいるが

この屋敷にそんな女性はいなかった。

むしろ自分から近づいている。

マルスはひとまずカービィを頭から退け、地面に下ろす。

そして必殺のマルス・スマイル。

「とりあえず後で見に行くよ。」

「うん!じゃあごゆっくり〜♪」

カービィは手を振り、草むらの方にかけていく。

その一言に、ロイの顔が一気に真っ赤になる。

「カッ・・・・・カービィ!」

マルスは平然とカービィの後姿を眺めている。

むしろ自慢気だった。

その光景を見ながら、リンクは苦笑する。

その理由は、現場を訊いてしまったから。

マルスとロイの関係を知ってしまったから。

 




  リンクはマルスの隣部屋だった。

だから、ちょっとオカリナを吹いたらすぐに隣に響く。

当然、そういう関係を行っていたら聞こえてしまうのだ。

リンクが寝ようとした瞬簡に、鈍い音が響いた。

『ちょっ・・・・・?!き、昨日やったばかりじゃないかぁ・・・・。』

ロイの困惑した声が聞こえる。

『だめだめwそんなの言い訳だよ。』

『あっ・・・・・・マルスっ!////』

という後に、ロイの甘い声がリンクの頭の中に流れ込んできた。

リンクと同い年のマルス。

一国の王子のマルス。

リンクは意を決し、自分のベットの中に蹲り、耳を抑える。

耳を抑えても聞こえてくる甘美な声。

その夜、リンクは眠れなかった。

その朝にマルスが部屋に尋ねてきて。

『やっぱり眠れなかった様だね。ごめんねW』

と声が響いてるのを予測していながらも、やっていたのだ。

王子はどうやら見せびらかしたいらしい。

その関係を見せ付けたいらしい。

   






  「リンク?」

王子が声をかけてきた。

ロイは、カービィ達のところに行き、虫を眺めている。

「どうしたんだい?」

「いや・・・・・別に。」

お前のせいだよ・・・・・・という言葉が喉まで飛び出してきたが飲み込む。

いったらまた自慢されそうな気がする。

「僕の予想だと、寝不足かな?」

「・・・・・・当たり。」

マルスは自慢する為にリンクのところに来たらしい。

 






    「さぁ!子供はもう寝る時間だぞ〜!」

マリオが声を張り上げる。

何故かマリオの左手には酒瓶があるのだが。

どうやら、大人は大人で宴会をやるらしい。

ロイも眠いのかあくびを噛み殺している。

そんなロイの肩に、マルスが手を差し伸べる。

ロイはすこし震えた

――――――――自分がどうなるか判ってきたから。

「・・・・・・・・・・・・・・マルス。まさか。」

「多分君の予想通りだよ。」

「やだ・・・・・・・・ってうわぁ!」

逃げようとしたが、あっさりと捕まってしまった。

俗に言う《お姫様抱っこ》だ。

屋敷の者が集まっている今、それをされると恥ずかしい。

「ロイ!」

マリオが引きとめる。

もしかしたら、マルスを止めてくれるかも知れない・・・・・・・と希望を持つのだが、

「グットラック!」

やっぱり酔っている親父に期待したのが馬鹿だった。

マリオは親指をたててロイに向ける。

「さぁ、今日も張り切っていこう。」

マルスの声を、ただ聞いていた。

     












      ☆・☆・☆・☆・あとがき・☆・☆・☆・☆・☆

さて、小説2回目の夏野でございます。

今回は、マルスやロイだけでなくスマデラの人も出してみましたW

やっぱりロイやマルスは公認ですね!(違)

というか題名と本文が一致していませんね;

・・・・・・・・書いたモン勝ちです。(ぇ?!)

さて、それでは失礼しました〜^・^;